哀れ
そうだね、哀れだね、キミ。
時間の試練
ここのところ、
ずっともやもやしているスケートファンのみなさまへ
大丈夫。
偽物は時間という試練には耐えられません。
その瞬間だけに生きている人は、
その瞬間だけにしか生きられないのです。
だから、自分の時間を立体的にとらえて、
まだ見えぬその奥にあるものを見極めようとしている人に
叶うわけないのです。
人生というのは残酷なほど正直です。
本当に容赦ありません。
だから誠実な選手が目を凝らして必死に見極めようとしている方向へ
目を向けましょう。
過去にとどまっていたい人は
その場に捨ておいておけばよいのです。
酷使してもらおう
もらうもの、もらったやつは、
酷使されるべきでしょ。
ふん!
最後に勝るのは
愛、
なんだよ。
欲、
ではない。
この真意、わかるか?
漂う人
以前書いた記事を再び。
私が中学生のときのお話。
こんな年齢になっても、まったく忘れられない、エピソードの一つである。
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羽生という人間を眺めていると、
中学時代のクラスメイトを思い出す。
彼女はとても頭がよく、楽器の演奏もうまくて、
女の子同士の話題にもよく登場する、
それなりに目立つ存在だった。
しかし、不思議と、良い方面の話題で登場することはなく、
なぜかいつも「なんか嫌な感じ」と
周囲の女子からは距離を置かれている人だった。
彼女が誰かの悪口を言っているわけではない。
少なくとも露骨に悪口を言っている現場を目撃したことはなかったのだが、
普通に話していても、
なんとなく「なんか嫌な感じ」と思われてしまう、
そういう人だった。
見た目ひとりぼっちというわけではないのだが、
実質ひとりぼっちという人だった。
…で、なんで毎度毎度話すたびに
「なんか嫌な感じ」がするのか、
中学生の私には、うまくその原因をつかみきることができなかった。
でも、たわいのないことを話しているだけなのに、
「なんか嫌な感じ」と感じずにはいられなかったのだ。
私は女子のグループ行動になじめず、
クラスの中に仲の良い子はいるけれど、
どちらかというとクラスの心理的緩衝地帯のような存在で、
誰とも話すけど、誰とも肝心なことは話さないような子だった。
(うーむ、かなり暗い印象だけど、見た目は明るい人間だった)
そんな私ですら、彼女と話すと、神経がざわついたのだから、
他のクラスメイトはそうとう苛ついたのではないかと思う。
結局彼女とは話せば話すほど距離が広がる(少なくとも私は彼女と距離を保ちたいと思ってしまい、後ずさりをする)ことになり、卒業までまったく付き合いを深めることができなかった。
卒業時に彼女が私に送ってきた手紙には
「みんなの中心にいた〇〇ちゃんと仲良くなりたい、と思えば思うほど、どういうわけか、うまく仲良くなれなかった。それがとても残念でたまらないの。」
と書かれていたのを今でも覚えている。
…で、今改めて思うのだ。
彼女になぜみんなが苛ついてしまったのか。
彼女はどういうわけか相手に対して、あなたにとって特別な私であることをのっけから要求してしまうのだ。
特別になれるかどうかは、彼女が決める領分ではないのに、それを勝手に決めてしまう、少なくとも相手は彼女が勝手に決めてしまったように思えてしまうような話し方を日常会話でしてしまうのだ。
彼女に悪気はないのだろう。
誰だって、相手にとって特別な自分でありたいと思うのは、自然な欲求だ。
でも、なぜだろう、相手の話をしていても、自分のことしか話していないようなすり替えをしてしまうのだ。
一人称の世界だけで生きている人、それが彼女だった。
彼女はいつだって自然に振る舞っているだけ。
でも、周囲はその自然な振る舞いを快く受け入れてくれない。
彼女は「なぜ?」と思う。
しかし、周囲は彼女を見てはいるけど(無視はしていない)、どんどん後進して、離れていく。
やることなすことずれている。
なにかやれば、敵を作ってしまう。
本人はまったくそんなつもりはないのに。
一人称の世界しか認知できないから、こちら側にも同じように世界があることがわからないのだ。
彼も同じなのだろう。
私が彼に対して「哀れなことだが」と前置きしてしまうのは、
これからもこの状況が改善することはなく、
何歳になっても、
見た目はひとりぼっちではないけど、実質ひとりぼっち ということから逃れることはできないからだ。
その彼女はいまだ漂流している。
彼もずっと漂流するのだろう。
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