Winding Road

手探りで進む曲がりくねった道。その先でしか本当のものとは出会えない……

memo 続きの続き

ダニエル・コーエン『経済成長という呪い』から 備忘録続きの続き

 

燃え尽き症候群は、今世紀の新たな病だ。現代において故障するのは、機械ではなく人間自身になったのである。」

 

ベンヤミンは、経済成長には三つの宗教的な構造があると記した。一つめは、経済成長は宗教として機能することだ。つまり、経済成長に関係しない考察は、すべて不敬として退けられるのだ。二つめは、経済成長は、「休みなく、そして情け容赦なく」であることだ。つまり、経済成長の示す論理は突き詰めなければならないのだ。三つめは、異議を唱えると、異端者として糾弾されることだ。つまり、富を生み出すための独創的な努力を惜しむ者は、呪われた者なのだ。」

 

「現代の経済成長の原動力は、労働強化と気候変動のリスクであるため、失業と雇用不安、精神的なストレス、環境危機というトライアングルの地獄は待ち構えている。(中略)物質的な経済成長では、未来に展望を持てず、また地球の瓦解を避けるために必要な方策に理解を示せない、気の滅入った人々で成り立つ社会になってしまう。」

 

終わり

 

まったくもって、この呪いはだいぶ強烈だ。