Winding Road

手探りで進む曲がりくねった道。その先でしか本当のものとは出会えない……

memo 続き

ダニエル・コーエン『経済成長という呪い』から 備忘録続き

 

「感覚と運動をうまく調整する作用こそがコンピューター化されない身体的な活動だという(中略)、コンピューターにとっては、高度な知能テスト(例:チェスの対局)をこなすのは容易だが、二歳の子供とサッカーをするのはとても難しい。たとえば、われわれが何気なく行う、食器の縁で生卵を割る作業などは、チェスの対局よりプログラムするのがはるかに難しい。」

 

「感覚と知覚の面での進化は数百万年かけて高度になった一方。数学的な推論の面での進化はつい最近のことだ。だからこそ、それらの作業をコンピューターで再現するのは、はるかに容易だということだ。」

 

「実際に、アメリカは二つの国を一つにした国家だ。一つは、アジア諸国のような成長率を謳歌する国だ。そこでは全人口の一%にあたる最富裕層が暮らし、この三十年来、彼らの経済成長率はおよそ七%だ……。もう一つの国には残りの九九%が暮らし、彼らの経済成長率は「ヨーロッパ型」の一〜一・五%だ。そして経済が少しでも失速すれば、全人口の九十%の経済成長率はゼロになる……。」

 

「社会が将来に備える能力は、驚くほど低い。」