Winding Road

手探りで進む曲がりくねった道。その先でしか本当のものとは出会えない……

もしも君が、学校でこう教えられ、世間でもそれが立派なこととして通っているからといって、ただそれだけで、いわれたとおりに行動し、教えられたとおりに生きてゆこうとするならば、ーーコペル君、いいかーーそれじゃあ、君はいつまでたっても一人前の人間にはなれないんだ。肝心なことは、世間の目より何よりも、君自身がまず、人間の立派さがどこにあるのか、それを本当に君の魂で知ることだ。

(中略)

世間には、他人の眼に立派に見えるように、見えるようにと振る舞っている人が、ずいぶんある。そういう人は、自分がひとの眼にどう映るかということを一番気にするようになって、本当の自分、ありのままの自分がどんなものかということを、つい、お留守にしてしまうものだ。

 

ーー「君たちはどう生きるか」