Winding Road

手探りで進む曲がりくねった道。その先でしか本当のものとは出会えない……

レジェンド

テニスのレジェンドと言えば、

文句無しに、ロジャー、である。

 

ジョコが無敵だったときも、

ナダルになかなか勝てず、大きく負け越していても、

やっぱり「レジェンド」と言えば、

ロジャー・フェデラー」である。

 

ぶっちゃけ試合に勝とうか負けようが、

関係ないのだ。

ロジャーはそういう選手なのである。

 

ロジャーがいない試合はなんだか気の抜けたビールのよう。

ロジャーがいるだけで、大会の格が数段上がる。

価値が出る。

 

そういう選手なのだ。

 

そのロジャーに匹敵するレジェンドとして、欧州のアイスショーで紹介されるのが、

真央。

「ロジャーと同じくらい人気があるフィギュア界の『生きるレジェンド』」

 

世界最高得点を何回更新しても、

ノーミス演技を何回やっても、

真央を超えることはできない。

 

強いから人気がある、負けないから人気がある、のではない。

 

ロジャーという生き方、

真央という生き方に人々は心を奪われているのだ。

 

ロジャーという生き方はロジャーにしかできない。

真央という生き方も然り。

 

唯一絶対の存在。

 

勝つためにここにいるのではない。

自分をさらに高みへ引き揚げるために戦っているのだ。

 

いつか真央とロジャーの対談を見てみたいなあ。

 

 

 

 

 

 

しかし、エネルギー保存の法則からは誰も逃れられないのだ

ここまで生きてきて思うのは、

エネルギー保存の法則からは誰も逃れられない、ということだ。

 

平家物語の冒頭を初めて読んだとき、小学生の私は、

「これって、エネルギー保存の法則じゃん」と思い、

真理ってやつから人は逃れられないのだ、と思い知った。

 

数学で絶対値を学んだときも、

「あー、またエネルギーは保存されているってことだ」と思い、

真理は巡り巡ってひとつながりのものなんだと悟った。

 

幸せも、不幸せも、

幸運も、不運も、

苦渋も、充足感も、

同じ量になるようにできている。

死ぬまでには、帳尻があってしまうのだ。

 

その帳尻合わせから人は逃れられない。

 

理不尽な今は先払いだと思う。

理不尽さも、やっぱり帳尻が合うようになっている。

幸運は無尽蔵ではないのだ。

燃やせば、燃えかすが残る。

みんな同じだけのエネルギーを抱えて生まれてくるのだ。

派手に見えるか、地味に見えるか、程度の問題で、本質では大差無し。

 

真理は無慈悲で、しかし慈悲深い。

本当のところ

賢明な人だと思うので、

自分のおかれている状況や、組織から注がれている視線の質については、十分なほど理解しているはずだ。

 

十分に理解できる賢明さを持ち合わせているからこそ、

ファンは彼女の心を気遣い、

どうかキャリアを全うしてほしいと心の底から願っているのだ。

 

今シーズン当初、コーチが膝の具合に言及し、その状況を説明したことが

その後のジャッジの傾向を決定づけ、

不利に働いてしまったと言うファンもいるけれど、

そういうことも含めて、コーチと彼女が話をし、公表することにしたのだろう。

 

こちら側がするシミュレーションはすべて行った上であえて決めているはず。

やらなかったことは「あえて」やらないという選択したことで、

やったことは「あえて」やると決めて選択したこと。

 

チームとして決めたことなら、私はそれが正しい選択なのだと思う。

 

勝ちたいけれど、勝つことより大切なことがある。

大切なことを守り、勝ちたい。

困難な選択をしたということを伝えたかったのかもしれない。

 

どうか、少しでも膝が回復しますように。

 

 

 

思うに…

今更ながら思うのだが、

4CCのケガリタイア選手の代わりを立てずに、

欠員1のままで選手を派遣し、

本郷選手には、そのままアジア大会に向けて調整をさせて、

成績を出してもらい、

そのままワールドで代役に立つ可能性があることを伝えて、

調整を続けてもらった方が、

良かったのではなかったか…と思う。

 

本郷さんにしたら、アジア大会にピークを合わせて古傷と相談しながら調整していたのだろうし、そのまま調整できたらアジア大会の成績も変わっていたかもしれない。

 

まるで、やっていることが、

全日本の真央への対応と同じ。

ケガや故障を抱えていることはわかっているのに、

自分たちの側の都合を最優先にする。

 

まったくもって選手は可哀想だ。

 

何が「準備をしておくように伝えた」だよ。

片腹痛いわ。